最近のAGA治療についてネットなどで情報をこまめにチェックしている方はご存知だと思いますが、ザガーロ(デュタステリド)という新薬が登場しています。
この薬、プロペシアの強力版とも言うべきものらしいのですが、本当のところはどうなんでしょうか?
プロペシア(フィナステリド)よりも治療効果の有効性があるのでしょうか?
また副作用も気になりますよね?
ザガーロ(デュタステリド)とは?
2015年8月に厚生労働省から承認を取得した男性型脱毛症(AGA)治療の新薬です。
デュタステリドを有効成分とした0.1mgと0.5mgの2種類のカプセルがあります。
AGA治療薬として最もメジャーなプロペシア(フィナステリド)と同じように5αリダクターゼの阻害薬に分類されますが、ザガーロは「Ⅰ型」及び「Ⅱ型」の5αリダクターゼを阻害することができます。
プロペシアよりも強力な効果があるとして今後のAGA治療において注目を浴びている薬です。
同じ有効成分のものが、アボダート、デュタス、デュプロストという薬品名でも販売されています。
ザガーロがプロペシアよりも効果があると言われる理由
AGAの原因は、男性ホルモンが5αリダクターゼという還元酵素によってデヒドロテストステロン(DHT)というものに変化して、毛根に悪さをして髪が成長しなくなってしまうのでしたね。
→AGAを知ろう!
この5αリダクターゼという還元酵素は、実はⅠ型とⅡ型の2種類があります。
Ⅰ型は、主に全身の皮脂腺部分に存在しており、Ⅱ型は前立腺や頭皮の毛乳頭部分に存在しています。
AGAは主にⅡ型の5αリダクターゼが関わっていると考えられてきました。
ですので、プロペシアが開発された当初はこのⅡ型の5αリダクターゼの働きを弱めれば良いと判断されて開発されました。
新たに認可された成分デュタステリド(ザガーロ)は、このⅠ型、Ⅱ型両方の5αリダクターゼの作用を阻害してデヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑えます。
そもそもⅠ型5αリダクターゼは、DHTを生成すると皮脂腺の働きを活発にして抜け毛を招くので、このⅠ型5αリダクターゼもストップする方がAGA治療には効果的というアプローチなのです。
プロペシアと効果を比較した海外の実験結果によると、ザガーロ(デュタステリド)0.5mgとフィナステリド5㎎を半年間服用するという比較臨床試験にて、ザガーロを投与されたチームの発毛量が30%ほど多かったという報告があります。
このことからフィナステリド(プロペシア)に対する先天的な感受性が悪い人や、早く発毛効果を得たい人への5α還元酵素阻害薬(DHT抑制薬)として日本国内でもAGA専門クリニックでの処方や個人輸入での入手が話題となっているのです。
デュタステリドの副作用は?
デュタステリドの副作用は、フィナステリドにかなり似ています。
- 性欲減退・性機能障害
- 鼻咽頭炎
- 女性の薬剤接触禁止
- 肝機能障害
DHT抑制成分が含まれる医薬品なので、副作用が共通しやすいのもうなずけます。
副作用ではありませんが、発毛効果が得られるとヘアサイクルの都合で一時的に抜け毛が増える初期脱毛が起こることもフィナステリドと同様です。
これらの詳細は、フィナステリドの副作用に共通するものですのでこちらをご覧ください。
→プロペシアの効果と副作用のすべて
ちなみに鼻咽頭炎とは、鼻水が出る風邪や花粉症の症状に近いものです。
デュタステリド服用者の中で最も多く、約15%と報告されています。
全体の副作用発現率は、0.1mgのもので13%、0.5%のもので15%で双方とも10%を超えており、フィナステリドの副作用の発現率よりもかなり高いと言えます。
ザガーロ(デュタステリド)があまり広まらない理由
そんな効果があるものならば、なぜフィナステリドよりも売れないのか、疑問ですよね?
その理由としては、まずフィナステリドよりもカバーしている範囲が広い分、副作用が出やすいという事が挙げられます。
そして実はこのザガーロ、日本と韓国以外にAGA治療薬として認可されていません!
それはフィナステリドで十分対処できるので、同様の薬は必要ないという製薬会社の新薬認可の費用対効果への判断が多分にあります。
また、ザガーロには耐性(薬の効果が薄れること)の可能性が高いこともわかっています。
これは病院でもあまり案内されいないようですが事実のようです。
そして最後に価格が高いこともあります。
プロペシアが7000円ほどに対して、ザガーロは9500円程度となっており、3割ほど高いです。
メリットとデメリットを考慮すると、あえてザガーロを使用する理由はないうのが結論なのです。
もちろん、フィナステリドでは効果が感じられずに他も試したいという人は使用していいと思います。
フィナステリド、ザガーロは、あくまでもデヒドロテストステロン(DHT)を抑える守りの薄毛治療です。
そして、いくら守ってばかりいても毛髪が生えてくるわけではありません。
やはりミノキシジルや生活習慣の改善などの攻めの治療にも同時に力を入れるべきだと思います。
→本当のAGAの原因とは?
・ザガーロは「Ⅰ型」及び「Ⅱ型」の5αリダクターゼを阻害する
・Ⅰ型5αリダクターゼもストップする方がAGA治療には効果的
・発毛率はザガーロはフィナステリドよりも30%ほど高い
・デュタステリドの副作用は、フィナステリドに似ている
・フィナステリドよりもカバーしている範囲が広いため副作用が出やすい
・耐性(薬の効果が薄れる)の可能性も高い
・フィナステリドよりも価格が高い