どうして人はハゲてしまうのでしょうか?(悲)
ハゲることを望んでいる人はほとんどいないにも関わらず、事実としてハゲている人は大勢います。
しかし、物事には必ず理由が存在します。
ハゲていない人とハゲている人には何かしらの違いと理由があるはずです。
ここでは、ハゲてる人の特徴や原因を理由とともに改善方法もご紹介していきます。
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▼ハゲてる人のイメージ
ハゲてる人には以下のようなイメージが挙げられます。
・エッチな人
・頭の大きい人
・神経質な人
・気の弱い人
・タバコや酒が多い人
・不潔そうな人
・脂ギッシュな人
いかがでしょうか?
ハゲてる人のイメージって、あまり良いものがありませんね。。
特に、エッチな人がハゲるというのはインターネット上でもよく見かけますよね。
しかしいま挙げたハゲてる人のイメージは、実際に医学的根拠はあるのでしょうか?
その答えは本記事の最後に考えることとしましょう。
▼若ハゲとは?
若ハゲの正体
若くしてハゲると書いて若ハゲといいますが、実際若ハゲとは何でしょうか?
字面だけ見るとまだ若いうちにパッとハゲてしまうことだと思いがちです。
しかし、実際は少し違います。
円形脱毛症のように突然毛がなくなってしまう訳ではありません。
まず、毛包(毛母、毛乳頭)の数に個人差はほぼありません。
薄く見える人と見えない人の違いは毛の太さと長さにあります。
髪のボリュームが多く見える人の毛は、太くて一定の長さがあり、
逆に薄く見える人の毛は細く短いです。
そのため、髪が薄い人でも頭部をよく見ると、産毛は生えています。
ハゲかけている人の毛は、通常の太さの毛と産毛のような毛が混じっている状態。
要するに、髪の毛が薄くなるというのは、元々は通常の太さだった毛が徐々に細く短くなることで、頭皮が透ける割合が多くなるということです。
ヘアサイクルの中で、「休止期」から次の「成長期」へに移行する際に、新しい毛包が作られます。
その結果、毛が細くなり薄毛を進行させることになります。
つまり、若ハゲとは若いうちに毛が完全になくなってしまうのではなく、若いうちに薄くなってしまうことを表します。
次はハゲの原因を探っていきましょう。
ハゲの原因
簡単ではありますが、ハゲの主な要因は以下のとおりです。
・男性ホルモン
・遺伝
・血行不良
・生活習慣
これがハゲの核心部分といえるでしょう。
それでは、まず大きいな要因である「男性ホルモン」について詳しく見ていきましょう。
▼ハゲと「男性ホルモン」の関係性
昔の逸話には、
「去勢を受けた男は脱毛しない」「性交したがる男はハゲる」
といった話がありました。
また、アメリカの医師ハミルトンの研究によれば、
- 思春期またはそれ以前に去勢(生殖腺(せん)をとり去ること)された男性では、脱毛は見られない
- ハゲ進行中の男性を去勢すると、それ以上の男性型脱毛は進行しない
- 去勢された男性に男性ホルモンを投与すると、家系的に男性型脱毛の要因がある男性に限って脱毛が見られる
という研究結果が報告されています。
注目したいのは、去勢された男性でもハゲ体質を持っている人と持っていない人とでは、男性ホルモンを投与した際の結果が違うということです。
要するに、男性ホルモンの量の影響によって脱毛に個人差がある訳ではないということになります
これは、ハゲになる原因として、ただ単に男性ホルモンの量が関係しているのではなく、別の要因が存在していることを示していますよね。
その別の要因の正体が気になるところですが、先に男性ホルモンについて詳しく見ていくことにしましょう。
男性ホルモンとは?
人間の身体には、「ホルモン」という物質がバランス良く存在しています。
何種類もあり、生体を維持する役割を担っています。
ホルモンの中でも、男性型脱毛症に大きく関係しているのが男性ホルモンです。
その男性ホルモンの中にも、様々な種類が存在します
男性型脱毛と結びつきが強い物質を、”テストステロン”と言います。
男性ホルモンは、思春期における睾丸の発達に伴って作られます。
思春期に髭や胸毛などの男性的な毛が発達するのは、男性ホルモンの影響です。
また、男女ともに脇毛と陰毛が思春期に発達するのも、男性ホルモンが関係しています。
つまり、女性にも微量の男性ホルモンが存在しているということになります。
男性ホルモンは体内で分泌された後、血液中に入ります。
血中に混じって全身を巡りそれぞれの細胞に入り込みます。
細胞にはレセプターという受容体が存在しており、細胞に入った男性ホルモンと結びつくことで細胞が活性化されます。
活性化とは、タンパク質の分泌を促進させること、または細胞分裂を促進させることをいいます。
思春期に脇毛や陰毛が発達するのは、男性ホルモンによる細胞の活性化が行われるためです。
ヒゲや脇毛と男性ホルモン
では、男性的な毛(ヒゲや胸毛)が発達する要因とは一体何でしょうか?
その要因には以下の2つが関係しています。
・男性ホルモンの濃度
・ジヒドロテストステロンの存在
ジヒドロテストステロンは、”テストステロン”が強化された物質です。
ジヒドロテストステロンの作用の強さは、”テストステロン”の約5~10倍といわれており、男性にヒゲや胸毛が発達するのはこの作用によるものだと考えられています。
”テストステロン”が、ジヒドロテストステロンに変化するのは、5α-リダクターゼという酵素が作用するため。
ちなみに5α-リダクターゼは、脇毛や陰毛の発達には必要ない物質だといわれています。
薄毛と男性ホルモン
ヒゲや胸毛が濃い人ほど、髪が薄くなりやすいとよく聞きますよね。
しかし、ジヒドロテストステロンが強力な男性ホルモンである以上、髪の毛もヒゲや胸毛と同様にたくさん生えてきてもいいはず。
なぜ真逆な説が成り立っているのでしょうか?
その原因として言えることは、ジヒドロテストステロンが髪の毛の発毛活動を抑制してしまうということにあります。
抑制してしまう理由は未だ解明されていません。
つまり、ジヒドロテストステロンは、毛母細胞の活動を抑制してしまい、発毛・育毛の促進を鈍らせるのです、
また、頭部の中でも前頭部と頭頂部の毛根には、ジヒドロテストステロンが特に活発な働きをして成長を抑制をするというやっかいな特徴があります。
これに関してもはっきりとした理由は解明されていません。
ハゲ始めの人に多いのが、前頭部と頭頂部に偏っているのはこのため。
つむじハゲやM字ハゲができるのも、こういった理由が考えられます。
研究では、後頭部の毛を前頭部に移しても、後頭部がハゲることはなかったという結果がでています。
つまり、前頭部と後頭部という頭部に部分的な偏りがあるいえるのです。
また、5α-リダクターゼは毛乳頭に多く存在しています。
逆に、毛母細胞に5α-リダクターゼはほとんど存在していないという研究結果があります。
つまり、男性ホルモン(テストステロン)が毛母細胞に直接働きかけている訳ではなく、毛乳頭に入り込むことによってジヒドロテストステロンに変化し、毛母細胞に抑制作用をもたらしているといえるでしょう。
そして、男性ホルモンの分泌は思春期から活発化し、年齢とともにその量は減少します。
思春期を迎えると突然ハゲだした、というような人はほとんどいません。
ハゲというのは基本的に少しずつ進行します。
では、なぜハゲは徐々に進行するのか。
この原因についても未だ解明されていません。
年齢を重ねるごとに、別の要因が存在するのかもしれません。
男性ホルモンのまとめ
では、難しい話が続いたので、ここで一度まとめておきましょう。
ハミルトン医師の研究より、去勢された男性でも、男性ホルモン投与によってハゲが進行する人と進行しない人がいました。
これで体質の違いによって、ハゲる体質とハゲない体質には何らかの要因があるということが分かりましたね。
この要因とされるものには、
・5α-リダクターゼの量
・ジヒドロテストステロンと結びつく受容体の感受性
・その活性化の度合い
・遺伝子レベルでの活性化反応の度合い
などが考えられています。
実際のところ、解明されていないことが多く確立・立証された情報は少ないです。
しかし、男性ホルモンの大体の働きとハゲの関係性についてはご理解いただけたかと思います。
▼ハゲの原因は男性ホルモンと深く関係している
なかなか解明されていないことが多い、男性ホルモンとハゲの関係性。
しかしながら、男性型脱毛症が男性ホルモンと大きく関係しているということはご理解いただけたのではないでしょうか。
「【ハゲの原因】ハゲてる人の特徴と理由を大公開 その②」では、ハゲと遺伝の関係性や、血行・皮脂、ストレスに関して掘り下げていきます。
- 若ハゲの主な要因の一つは”男性ホルモン”
- 男性型脱毛と結びつきが強い物質が”テストステロン”
- 男性的な毛(ヒゲや胸毛)が発達する要因は男性ホルモンの濃度とジヒドロテストステロンが関係している
- ジヒドロテストステロンが髪の毛の発毛を抑制する
- ジヒドロテストステロンと結びつく受容体の感受性も関係している
- ジヒドロテストステロンによって前頭部と頭頂部からハゲることが多い