最近、AGA業界をにぎわしている新薬といえば、デュタステリドを配合した新薬「ザガーロです。

プロペシアよりも効果が大きいとされていますが、本当なのでしょうか?

ここでは、AGA(Androgenetic Alopecia「男性型脱毛症」)への対処法として、デュタステリドとプロペシアの効果、副作用を徹底比較しまてみます。

若ハゲの背景とAGA

若年性のハゲが蔓延している背景には、AGA(男性型脱毛症)がありますが、まずは若ハゲの原因を知ることがポイントになります。

男性のハゲの原因の大半はAGAで、その特徴は多くの男性に見られるように、頭頂部、髪の毛の生え際の、「生える→抜ける」というヘアサイクルが不順になり、毛が次第に細くなってくるだけでなく、進行すると産毛みたいに細い毛になります

AGAを知ろう!

特にAGAの特徴は、後頭部、側頭部の毛が残っているということ。

さらに、U字ハゲ、M字ハゲは生え際から薄毛が進みますが、この場合の原因もAGAと考えらえています。

頭のてっぺんである頭頂部にできるO字のようなハゲは、他の原因も考えられますが、やはり、多くはAGAが原因になっている場合が多いようです。

また、AGAは年齢を重ねるほど発症率が上がってきますが、10代、20代に見られる若ハゲは、ほぼAGAと見て間違いないでしょう。

このAGAの症状が起こる原因とされているのが、男性ホルモンのテストステロンと、頭部にある酵素5α‐リダクターゼ

この2つが生成するDHT(ジヒドロテストステロン)は、髪の毛の元となる細胞「毛母細胞」の働きを抑制する作用があることから、薄毛との関係が最も深いホルモンとされています。

本当のAGAの原因とは?

また、遺伝の影響もあることも明確になってきています。

他には、生活習慣も薄毛と深い関わりがあります。

次のような生活習慣を続けている方は、見直しの必要があるでしょう。

  • 睡眠不足
  • 偏食
  • 亜鉛の不足
  • 喫煙
  • ストレス
  • ヘアスタイル
  • 刺激度が高いシャンプー
  • 洗髪
  • 湿ったままの髪
  • 紫外線
  • 帽子のかぶり過ぎ

デュタステリドとは?

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これまでのAGAの治療については、脱毛男性ホルモン成分を抑える効果がある「フィナステリド(商品名―プロペシア(2005年に医薬品認可)」が有名です。

しかし2015年以降、デュタステリドを成分にしたAGA治療薬「ザガーロにも関心が寄せられています。

デュタステリドはフィナステリドがそうであったように、前立腺肥大の治療薬として開発されたもので、それをAGA治療薬として使用したところ、薄毛改善の効果が認められています。

もともと前立腺肥大の原因に、AGAの原因となっているDHT(ジヒドロテストステロン)が挙げられていることから、AGAにも効果があるとされています

前立腺には、頭部にある酵素5α‐リダクターゼと同じものがあり、それがテストステロンに関与しDHTが生成、その濃度が高まると前立腺に働きかけることで、前立腺肥大になるとされています。

そして、5α‐リダクターゼには2つのタイプがあってⅠ、Ⅱ型があります。

デュタステリドはⅠ型、Ⅱ型の両方を抑制することが可能なので、DHTの産生を抑えることで、前立腺の肥大を縮小できるとされています

実際に、デュタステリド0.5mgの経口投与を2週間投与したところ、血清中のDHT濃度が87.5%減り、半年後には89.7%減った研究成果が報告されています。

前述でも簡単に説明しましたが、頭髪が短髪になり成長しないまま抜けてしまう原因は、毛包に存在する男性ホルモン受容体(アンドロゲン・レセプター)とDHTが結びつくこと。

そのことで、髪の毛の元の毛母細胞の活性が抑制されてしまい起こります。

デュタステリドを服用すると前立腺肥大はもとより、AGAの改善も見ることが出来るということで、現在、AGA治療薬の新薬として関心が高まっているのです。

プロペシアと何が違うの?

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2005年から治療に使われているプロペシアと、約10年後の2016年から使用が開始されたデュタステリド(ザガーロ)は、同じように5α‐リダクターゼ阻害薬なのですが、この2つにはどのような違いがあるのでしょうか。

まずは、旧薬のプロペシアから見て行きましょう。

  • 商品名:プロペシア
  • 種類:錠剤
  • 有効成分:フィナステリド
  • 効果効能:男性における男性型脱毛症の遅延
  • 特徴:5α‐リダクターゼⅡ型を阻害、AGA治療薬として初めて認可される
  • 価格:1カ月7,000円程度(自由診療全額負担)

 

デュタステリド(ザガーロ)を見て行きます。

  • 商品名:デュタステリド(ザガーロ)
  • 種類:カプセル
  • 有効成分:デュタステリド
  • 効果効能:男性における男性型脱毛症
  • 特徴:5α‐リダクターゼⅠ型、Ⅱ型を阻害、AGA治療薬として認可される
  • 価格:1カ月9,000円程度(自由診療全額負担)

 

■ プロペシア、デュタステリド「ザガーロ」両方に共通

  • 飲み方:1日1回
  • 使用禁忌薬:特になし
  • 服用できない人:女性(中でも妊婦)、重度の肝機能障害者、5α-リダクターゼ過敏症の既往歴者
  • 副作用:勃起不全、リビドー減退、胃腸障害

 

こうして見ると、両者とも5α-リダクターゼ阻害薬なのですが、プロペシアはⅡ型を阻害しますが、デュタステリド(ザガーロ)はⅠ型、Ⅱ型の両方を阻害します

そして、効果効能では、プロペシアは男性型脱毛症の遅延ですが、デュタステリド(ザガーロ)では、男性型脱毛症になっており、明らかにデュタステリド(ザガーロ)の効果の方がより発毛に期待ができるといえるでしょう。

プロペシアとデュタステリドはどちらが効果的?

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プロペシアとデュタステリドについての違いは、同じ5α-リダクターゼ阻害薬でも、プロペシアはⅡ型、デュタステリドはⅠ型、Ⅱ型と阻害することで、その差で効果に影響が出ていることです。

実際に、プロペシアの効果効能は、男性における男性型脱毛症の遅延とされ、デュタステリドの効果効能は、男性における男性型脱毛症とされていることから、デュタステリドは、男性型脱毛症により効果的であるとされています。

次に、本当に髪の毛の発毛に効果があるのかということになります。

これを検討するには、グラクソ・スミスクライン社の臨床結果・安全性情報臨床成績フィナステリドを対象とした「第Ⅱ/Ⅲ相国際共同試験(第Ⅲ相試験:日劣性試験)」のデータをみていきましょう。

  • 目的

男性の男性型脱毛症患者を対象に、ザガーロ0.02mg、0.1mg、0.5mgの用量反応性を検討するとともに、デュタステリド(ザガーロ)のプラセボに対する優越性、およびデュタステリド(ザガーロ)のフィナステリドに対する非劣性を検証することを目的とした。

  • 対象

20~50歳の男性型脱毛症患者917例

  • 主要評価項目

発毛(24週時における頭頂部の毛髪数のベースラインからの変化量)

  • 副次評価項目

発毛(12週時における頭頂部の毛髪数のベースラインからの変化量)
育毛(毛髪の太さのベースラインからの変化量、硬毛数のベースラインからの変化量)

デュタステリド(ザガーロ)による発毛効果

24週時における頭頂部の毛髪数のベースラインからの変化量は、

  • デュタステリド(ザガーロ)0.1mg群で63.0本
  • デュタステリド(ザガーロ)0.5m群で89.6本
  • フィナステリド1m群で56.5本
  • プラセボ群で-4.9本

となっています。

これから、デュタステリド(ザガーロ)0.5m群89.6本と、フィナステリド1mg56.5本との割合を見ますと、89.6÷56.5=1.5858となり、デュタステリド(ザガーロ)の方が約1.6倍の発毛効果があることが分かります。

デュタステリド(ザガーロ)による育毛効果

毛髪の太さについても比較検討が行われています。

それによると、

  • デュタステリド0.5mg ― 5.8×10³μm
  • デュタステリド0.1mg ― 3.9×10³μm
  • デュタステリド0.02mg ― 0
  • フィナステリド1.0ng ― 4.0×10³μm
  • プラセボ – 0.9×10³μm

この結果から見ますと、5.8×10³μm÷4.0×10³μm=1.45となり、デュタステリド0.5mgの方が、フィナステリド1.0mgよりも、1.45倍の効果があるとされています。

このような結果からみて、発毛についても、毛髪の太さについても、デュタステリドの方が効果が期待できると言えるでしょう。

また、5α‐リダクターゼⅠ型が存在するのは皮脂腺で、Ⅱ型は前立腺と前頭部から頭頂部にかけての毛乳頭に存在しています。

AGAの大部分はⅡ型が多いのですが、中にはⅠ型も関与している場合があります。

その場合では、フィナステリドでは対応が出来ないことです。

ザガーロとプロペシア|副作用に違いはある?

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先の「フィナステリドを対象とした第Ⅱ/Ⅲ相国際共同試験(第Ⅲ相試験:日劣性試験)によると、表のような結果が得られています。

プラセボ群 フィナステリド
1mg群
ザガーロ
0.1mg群
ザガーロ
0.5mg群
勃起不全 3% 6% 3% 5%
射精不能 1% 2% 1% <1%
射精障害 <1% 2% 3% 2%
リビドー減退 1% 4% 5% 2%
胃腸障害 4% 2% 3% 2%
精神障害 3% 5% 7% 2%

ここからわかることは、プロペシアとデュタステリド(ザガーロ)の副作用については、そんなに変わらないことが確認できます。

AGAの治療ついては、男性ホルモンのDHTの産生の阻害が影響していることから、副作用は男性機能に関係するものが多いようです。

特に目立つのは勃起不全で、フィナステリド1mg群の6%、ザガーロ0.5mg群の5%は20人に1人の確率で起きるわけですから、結構、深刻な問題になるかも知れません。

赤ちゃんが欲しいカップルにとっては、AGAの治療よりは2世の誕生の方を優先にしたいものですよね。

リビドー減退は、言ってみれば性欲がなくなるということですから、これも、男性機能に関係があります。
精神障害についても、かなり高いパーセンテージで副作用が見られますが、これが男性ホルモンとの関連から、そういった症状が現れるのは必然性があるのかも知れません。

しかし、副作用が全く起きない男性もいるため、一概に副作用が出る出ないとは言い切れません

なぜデュタステリドは知名度が低いのか?

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プロペシアは、AGAマーケットに対して先行ブランドとしてのポジションを確立しています。

つまり、この10年間で、市場への①導入、②浸透、③定着の段階を終えていることになります。

一方のデュタステリド(ザガーロ)は、10年のハンディを背負って市場導入したわけですから、なかなかプロペシアほどの知名度は上がりません。

コミュニケーションの場で言えば、剛力彩芽さんを起用したテレビコマーシャルがオンエアされていますが、薬事法の関係もあるため、プロペシアに対してのUSPがまったく感じられませんし、剛力彩芽=AGA=デュタステリド(ザガーロ)がストレートに結びつかない限り、定着まではまだまだ時間がかかりそうです。

まずは、プロペシアを服用したにもかかわらず効果が実感できない人に対して、デュタステリド(ザガーロ)への薬チェンジの効果を発信することで、第一選択薬としてデュタステリド(ザガーロ)が選ばれる世界観を構築することがポイントになります。

ところが一方で、つぎのような噂が立っています。

それは、デュタステリド(ザガーロ)はステロイド薬なので服用しないほうがベターというです。

特に、ステロイドは免疫抑制が起こるために、感染症に罹りやすくなります。

そのデュタステリドですが、日本国内では、まだまだ認知されていませんが、アメリカ、ヨーロッパでは、結構浸透して薬効も理解されて浸透しているようです。

デュタステリドは耐性が発生する?

前述でもあったようにデュタステリド(ザガーロ)の耐性について触れましたが、仮に、ステロイドであった場合、薬に耐性ができて確かに効能が悪くなるので、服用量の増減を調節する必要があります。

しかしながら、デュタステリド(ザガーロ)は、ステロイドではないので継続服用しても耐性はつきません

デュタステリド(ザガーロ)がステロイド系の薬と思われ、耐性がつくのではと誤解されたのは、デュタステリド(ザガーロ)がアザステロイドであるにもかかわらずステロイドと誤認され、それが独り歩きしていることによるものと考えらています。

実際に、構造式はステロイドの誘導体ですので、よく似た構造式になっています。

AGAの治療については長期的になる可能性があるだけに、耐性問題を見過ごすことはできません。

服用する場合には、しっかりと薬品情報を手にすることが重要です。

AGA医薬品として認可されているの?

デュタステリドは、2015年9月にイギリス本社のグラクソ・スミスクラインがAGA(男性型脱毛症)の治療薬の認可を厚生労働省から得ました

AGA薬としては10年の間がありますが、プロペシア(錠剤)に次いで2番目になります。

剤型はカプセルで、0.1mg、0.5mgの2種類があります。

前立腺肥大の治療薬「アボルカプセル」として既に服用されていることから、商品名、カプセルの色は違いますが薬自体は全く同じということになります。

韓国では日本より早い2009年に「アボダート」として先行発売されており、日本は2番目の導入となります。

このように歴史は浅いですが、前立腺肥大症の治療薬としては世界102カ国で、既に実績を作っていますので、安心して服用することができます

2015年9月に承認を受け2015年11月24日から本格的に発売される予定でしたが、生産上の問題から延期になり、最終的に2016年6月13日にザガーロ(ZAGALLO)という商品名で発売されました。

Zは進化、究極などに意味があり、AGAは男性型脱毛症、LLOは語感と、Oが最後につく名刺はイタリア語で男性を意味するので、それらをまとめたのがザガーロ(ZAGALLO)。

実際の処方は、AGA医院ということになるのですが、別に、美容外科のような専門科だけでなく、一般的な内科医院でも取り扱っていますので、地元の医院に問い合わせた上で診療を受けるようにしたいですね。

デュタステリド製剤の種類

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日本ではデュタステリドAGA治療薬「ザガーロ」しか存在していません。

現在ジェネリックも販売されてはいません。

しかし海外では特許事情が異なるため、デュタステリド製剤が作られ、販売されています。

ここでは、海外で販売されているデュタステリド製剤をご紹介します。

  • アボダート(アボルブ)

グラクソ・スミスクラインから発売されている前立腺肥大症の治療薬で、「ザガーロ」と同じ成分なので、当然、AGA治療薬としても使用は可能ですが、医師処方薬ですので一般的に手に入れることは出来ません。
ただし、海外から個人輸入することはできます。(価格は6,000円程度)

  • デュタス(アボダートのジェネリック)

インドが本社のDr.Reddys laboractoriesが製造、そして販売するデュタステリド製剤で、アボダートのジェネリックになります。
成分的には「ザガーロ」と同じですので、薬効も一緒ということになります。
Dr.Reddys laboractoriesはフジフィルムと提携している、インドでも有数のジェネリック製造・販売会社です。

  • デュプロスト(正規薬剤)

インド、ムンバイが本店のCipla社のデュタステリド製剤で、「ザガーロ」と同じ成分です。
用量も0.5mg製剤で、それ故、効果も一緒ということになります。
Cipla社はインド第2位の製薬メーカで、16,000人を超える従業員がいるビッグカンパニーです。

  • デュタプロス

トルコの「Kocak FARMA ilac ve Kimya Sanayi A.S.」から製造・販売されているデュタステリド製剤で、「ザガーロ」と同じの0.5mgのカプセル形状で、効果も一緒です。

 

以上のデュタステリド製剤は個人輸入をすることが可能です。

しかし、その場合は個人の責任で行わなければなりません。

 

デュタステリドはAGA治療にとって必要不可欠な成分!

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男性は頭頂部がハゲげることを極端に嫌う習性があるようです。

ハゲげないまでも、せめて細くてもいいから毛髪がある状態を望む傾向があります。

一方で酵素5α‐リダクターゼと男性ホルモンといたずらでDHTが産生しハゲの状態を作り出します。

しかしながら、ハゲの原因が解明され薬を服用するだけで、ハゲに効果があることが証明されると、多くの男性が、当然のことながら、少しでもハゲげるのを遅らせたい、できるなら目立たない程度まで回復させたいと思うのは仕方のないことです。

そうであるならば、少なくともデュタステリド製剤「ザガーロ」、そしてフィナステリド製剤の「プロペシア」について、しっかりと機序、薬効、副作用を学んだ上で、服用するようにしたいですね。

まとめ
  • AGAは薬での治療が可能
  • AGAの原因は男性ホルモンのテストステロンと、頭部にある酵素5α‐リダクターゼの、2つが産生するDHT(ジヒドロテストステロン)
  • プロペシアは5α-リダクターゼⅠ型、デュタステリド「ザガーロ」は5α-リダクターゼⅠ型、Ⅱ型
  • プロペシアとデュタステリド「ザガーロ」の薬効比較では、デュタステリド「ザガーロ」の方が上
  • 診療費用は自由診療でプロペシア7,000/月、デュタステリド「ザガーロ」は9,000円/月
  • 副作用は男性機能に出現
  • デュタステリド「ザガーロ」の耐性はほとんど心配がない
  • デュタステリド製剤は個人輸入が可能
  • AGAの治療に際しては、しっかりと機序、薬効、副作用を学習する

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