AGA治療薬として有名なミノキシジルは、リアップなどでご存知の方は多いかと思いますが、ミノキシジルタブレットという内服薬はご存知ですか?
略してミノタブとも呼ばれるこの薬は、発毛薬として男性のみならず女性でも服用できることから薄毛治療クリニックなどでも処方されています。
これから飲んでみようかな、と迷っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかしネットなどを見ると、ミノキシジルは心臓や血圧に影響するから怖いという話も聞きますよね。
ミノキシジルは本当に心臓や血圧に影響があるのでしょうか?
今回は錠剤タイプのミノキシジルタブレットの副作用について詳しく見ていきます。
詳しく知ることで、納得して治療を始められるようになるでしょう。
Contents
ミノキシジル(ミノタブ)で起こりやすい副作用とは?
ミノキシジルはもともと血圧を下げる降圧剤として開発されていたものでした。
開発している途中で「体毛や髪の毛が生えてくるぞ!」と気づいたため、AGAの治療薬として販売されることになったのです。
そのため他の治療薬とは違って血圧や心臓に関する副作用が出る可能性があるんですね。それではミノキシジルで起こりやすい代表的な副作用を確認してみましょう。
ミノキシジルによる心臓に関係する副作用
「ミノタブを飲みはじめてから動悸がするようになった…」なんて話を耳にしたことがありませんか?
せっかく髪の毛が生えてきたのに、動悸のためにミノキシジルの服用を止めましたというコメントも何度か見たことがあります。
そうなんです、ミノキシジルを服用すると動悸を感じることがあります。
また息切れしやすくなったという声もありますね。
中には動悸かと思っていたがそのまま過呼吸を起こしてしまったという方もいます。
ミノキシジルによる血圧に関係する副作用
ミノキシジルが高血圧の治療薬として開発されていた経緯からわかる通り、血圧に関係する副作用も報告されています。
ミノキシジルを服用することで血圧が下がってしまった、めまいやふらつきがするようになったなどの副作用が代表的です。
一般的に高血圧の治療薬として使われているお薬でも、ミノキシジルと同様にめまいやふらつきが出ることがあります。
血圧を下げるためには、血管を広げて血液がスムーズに流れるようにする必要があるんですね。
イメージしやすいように、ホースを使って庭に水撒きをするシーンを思い浮かべてください。
ホースを指で少し潰して水の出口を狭めると、水は勢いよく出てきます。
水の通り道が狭くなることで圧力が高まるためです。
これと同じで血管が狭い方は、血液を循環させるために普通の人よりも大きな圧力が必要になります。
大きな圧力を出すために心臓が力いっぱい動くので、血圧が高くなるという仕組みです。
ミノキシジルを服用すると、血管が拡張していつもよりも太くなるため血圧が下がります。
すると血液の流れがいつもよりもなだらかになるため、ふらつきやめまいが表れてしまうのです。
ミノキシジルによる多毛症
ミノキシジルを服用すると、体毛が濃くなってしまうことがあります。
これは有名な副作用ですね。
体毛が濃くなるのは、頭皮に直接つけるタイプのミノキシジルよりも、錠剤タイプのミノキシジルで多く見られます。
錠剤のミノキシジルは、服用することで全身にお薬の成分がまわるため、どうしても副作用が出やすくなってしまうのです。
そして、髪の毛以外の毛にもミノキシジルが働いてしまうため、全身の毛が濃くなることがあります。
ミノキシジルを服用した方全員が全員、多毛症の症状が出るわけではありませんが多くの方が経験する副作用の1つです。
この多毛症の副作用は、ミノキシジルを飲んでいる間はずっと続きます。
早い方で服用しはじめて3週間、遅い方ですと数ヶ月後に見られるでしょう。
ミノキシジルは「薄毛のままでいるか、全身の毛が濃くなるかの二択」と言われるほど、多毛症の副作用は多く見られます。
ちなみに、どこの毛が濃くなるかについては個人差が大きく、全身の毛が濃くなる方もいますし腕や足、ひげだけ濃くなるような方もいます。
ミノキシジルによる初期脱毛
ミノキシジルの服用を始めたら、髪の毛が増えるどころかむしろ抜けてしまう「初期脱毛」が見られることも少なくありません。
ミノキシジルを服用した方のうち、約半数は初期脱毛を経験することになるでしょう。
薄毛の治療をしたいからミノキシジルを飲み始めたのに、逆に髪の毛がもっと薄くなってしまうなんて恐ろしいですよね。
初期脱毛に心をくじかれ、ここでミノキシジルによる治療を止めてしまう方も多いです。初期脱毛が起きてしまう原因は、ヘアサイクルと大きく関係しています。
毛髪は成長期→退行期→休止期と進んでいくのですが、ミノキシジルを服用することで休止期から成長期へ移行する際に成長が終わっている髪の毛をいったん抜けさせてしまうのです。
あらためて健康な髪の毛を成長させるためですね。
つまり初期脱毛は、健康な髪の毛を増やすための前段階ともいえます。
お薬が効いている証拠なので問題ないことではありますが、間違いなく精神衛生上あまりよくない副作用ですね。
副作用を防ぐためにできること
動悸やめまい、初期脱毛や多毛症・・・、どれもできれば避けたいですよね。
どうにかして副作用を防ぐ方法はないの?と思うでしょう。
多毛症や初期脱毛の副作用は、残念ながら防ぐのは難しいです。
これらの副作用は、起こるときは起こってしまいます。
しかし他の動悸やめまいなどの副作用は、予防できなくもないです。
当たり前ですが、指示された用法用量を守って飲む。
これが副作用を起こしにくくする1番効果的な方法です。
ミノタブは1日1回もしくは2回が基本なのですが、もっと効果を出したいからといって多く飲むのは絶対にやってはいけません。
用法用量を守る以外にもう1つ、副作用を抑えることができる方法があります。
それはミノキシジルの量を調整するというものです。
ミノタブには2.5mg、5mg、10mgといくつか規格があります。
少しずつ量の多いものに変えていく方法が一般的です。
しかし「ミノキシジルの量を2.5mgから5mgに変えたら動悸がするようになった!」と、量を増やすことで副作用が起こりやすくなります。
効果を出したいからといって無闇に量の多いものを使わずに、体の調子を見ながら少ない量のものから始めることで副作用を起こりにくくすることが可能です。
まとめ
ミノキシジルの錠剤、ミノタブは「もっと早く飲んでいればよかった!」と喜びの声を挙げる方が多い一方で、動悸やめまい、ふらつきや初期脱毛などの副作用が出てしまい、治療を中断される方も多いです。
副作用をできるだけ避けるためにも用法用量を守る、少ない量から始めるということを徹底しましょう。
- ミノキシジルはもともと血圧を下げるために開発されたお薬
- そのため血圧や心臓への副作用が出る可能性がある
- 副作用のリスクを減らすため、初めは少ない量から始めるのが吉