男性ホルモンが多いとハゲる?そんな話を聞いたことはありませんか?
薄毛を気にする方ならおそらくほとんどの方が一度は耳にしたことがあるはずです。
しかし男性ホルモンの分泌が少なければハゲないのか?と聞かれると、そうではありません。
では一体なぜハゲてしまうのか気になりますよね。
ここでは男性ホルモンと薄毛にはどのような関係性があるのかをご説明しています。
これで男性ホルモンと薄毛(ハゲ)との関係がしっかりわかるでしょう。
Contents
はげの原因の95%はAGA
男性がハゲる原因の95%はAGAです。
シャンプーが悪いからとか、皮脂に汚れが詰まっているからとかいったことは、二次的なことで実はあまり関係ないのです。
では主なハゲの原因となっている、AGAについて詳しく見ていきましょう。
はげの原因No.1、AGAとは?
そもそもAGAって何なの?と思われている方もいるでしょう。
AGAとはAndro Genetic Alopeciaを略した医学用語のことです。
そのまま「エージーエー」と読みます。日本語にすると「男性型脱毛症」です。
日本国内にはAGAの患者さんが約1,260万人いると言われています。
なんと成人男性(20歳~69歳)の3人に1人がAGAなのです。
意外と多いですよね。
しかもAGAを一度発症してしまうと、治療を始めるまでハゲの進行は止まりません。AGAになると、薄毛の原因となる男性ホルモンの働きを活発にしてしまうため、薄毛がどんどん進行していきます。
冒頭でも話をした通り、男性ホルモンははげに影響しているんですね。
このことについては、これから詳しくご説明していきます。
AGAになるとどうハゲる?
AGAにはAGA特有のハゲ方が見られます。
といっても珍しいはハゲ方ではありません。
誰もが見たことがあるでしょう。
AGAにはおでこの生え際からはげていくもの、頭頂部からはげていくもの、おでこと頭頂部の両方からはげていくものなどがあります。
生え際と頭頂部は血管の量が少なく、また薄毛の原因となる男性ホルモンが影響しやすいため、はげが進行しやすいのです。
AGAの原因は男性ホルモンが関係
先ほども言ったように、AGAは男性ホルモンの働きによって進行していくものです。
AGAを治療していくためには、男性ホルモンの働きについて最低限は知っておく必要があるでしょう。
そもそもの男性ホルモンの役割とは?
男性ホルモンは、体を男性らしく作り上げるために必要なホルモンです。
ヒゲや胸毛を生やしたり、筋肉をつけたりします。
男性ホルモンという名前から、男性だけが持っているホルモンのようなイメージもありますが、女性でも少量持っているものです。
しかし量は圧倒的に男性の方が多いです。
男性の体を男性らしく作り上げるのに、男性ホルモンが活躍しているのですね。
はげに関係する男性ホルモンとは?
しかしなぜ、男性ホルモンがはげの原因となってしまうのでしょうか?
ヒゲや胸毛に対しては「増やす」方向に働くのに、どうして頭髪には「減らす」方向に働いてしまうのでしょう?
これまでひとくちに男性ホルモンと言っていましたが、実は男性ホルモンは1種類ではありません。
「テストステロン」と「ジヒドロテストステロン」というようにいくつか種類があります。
テストステロンに5α-リダクターゼ(5α還元酵素)と呼ばれる酵素が働くことで、テストステロンはジヒドロテストステロンに変化します。
このジヒドロテストステロンこそがハゲの原因です。
このジヒドロテストステロンがアンドロゲンレセプターにくっつくことで、ジヒドロテストステロンが働き始めます。ちょっとカタカナばかりでごちゃごちゃしてきましたね。
わかりやすく例えるとアンドロゲンレセプターは鍵穴、ジヒドロテストステロンは鍵です。
鍵穴であるアンドロゲンレセプターに、鍵の役割を持つジヒドロテストステロンがくっつくことでジヒドロテストステロンが効果を発揮するのです。
5α-リダクターゼによって作られたジヒドロテストステロンは、テストステロンの約5倍~10倍もの強さを持っています。
しかもジヒドロテストステロンは、毛髪に働いて「髪の毛の成長を抑える」働きがあるのです。
つまり、
- 5α-リダクターゼの働きが活発
- ジヒドロテストステロンの感受性が高い
このような体質の方ははげやすいと言えるでしょう。
ちなみに筋肉をつけるのにはテストステロン、ヒゲや胸毛を生やすのにはテストステロンとジヒドロテストステロンの両方が関係しています。
はげ=男性ホルモンが原因!というイメージが強いですが、すべての男性ホルモンがはげを促進しているわけではありません。
ジヒドロテストステロンによって髪の毛の成長が抑えられる理由
髪の毛が生えて抜けるまでには、一連の毛髪サイクルがあります。
毛周期(ヘアサイクル)と呼ばれるもので、成長期→退行期→休止期というように進んでいきます。
髪の毛が伸びるのが成長期、成長が止まるのが退行期、髪の毛が抜けていくのが休止期です。
この毛周期が正常に働いていれば髪の毛がはげることはありません。
しかしジヒドロテストステロンによって毛周期が影響を受けてしまうと、成長期が短くなり退行期や休止期の期間が長くなってしまうのでハゲてしまうのです。
AGA以外にハゲる原因はある?
はげの原因の95%はAGAです。
では残りの5%には何があるのでしょうか?
AGA以外のはげの原因についても見ていきましょう。
ストレス
体にストレスがたまるとはげることがあります。
よく見られるのがストレスによって円形脱毛症になってしまうパターンです。
ストレスを受けている期間が長いと、自律神経の働きが乱れ、頭皮の血行が悪くなるためハゲてしまうことがあります。
生活習慣
食生活の乱れや、睡眠不足などの生活習慣もはげの原因となることがあります。
食生活が乱れると、髪の毛の成長に必要な栄養素が不足するため健康な髪の毛が育たなくなってしまうのです。
睡眠不足は、ホルモンバランスを乱れさせます。
また喫煙もはげの原因として知られています。
タバコに含まれているニコチンが血管を収縮させ、血液の流れを悪くしてしまいますし、大切なビタミンも消費してしまいます。
薬の副作用
「抗がん剤治療を始めたら、髪の毛が抜け落ちてしまった」という話をたまに聞きますよね。
このように薬の副作用によってはげてしまうことがあるのです。
抗がん剤の他に抗うつ薬、ホルモン剤、免疫抑制剤などのお薬でも脱毛が見られることがあります。
まとめ
男性ホルモンが増えるとはげる!という考えは、半分正解で、半分間違いです。
ハゲに関係する男性ホルモンはテストステロンが代謝されてできたジヒドロテストステロン。
すべての男性ホルモンが悪というわけではないんですね。
はげの原因の95%はこのジヒドロテストステロンの量が多くなってしまうAGAが原因です。
AGAは放っておいても治りません、症状が進んでいくだけです。
「AGAかも?」と思ったら早めに治療を始めましょう。
- AGAの原因は男性ホルモンである
- 男性ホルモンのうちAGAに関係があるのは「ジヒドロテストステロン」
- 男性ホルモン以外のことが原因ではげることもある